クレアチニンの数値が下がった
協会は、内臓トレーニング実践者から実践報告をいただき、病状に合わせたトレーニング方法をアドバイスしています。報告をいただいた腎臓病の192人の結果をまとめてみました。
内臓トレーニングによるクレアチニン値の変化
クレアチニン値別の改善結果
◆クレアチニン値が低いほど、下がる確率が高い。
◆現状の治療では、クレアチニン値5.00程度までは様子見が多い(治療法がない)その後は透析の準備治療となる。
◆クレアチニン値が3.00くらいまでは下がる確率が高い。80%から90%弱まで下がっている。
◆クレアチニン値5.00以上でも50%程度が下がっている。
クレアチニン値4.00以上の人のうち、24人が1年以上透析を回避していた
このグラフは、トレーニング開始時の数値が4.00以上で,1年以上透析に入らなかった人達のクレアチニン値の推移を示しています。クレアチニン4.0とは、60歳男性の場合、病期が5でeGFRが13%であり、透析直前の人達の数値を意味します。なお、上限をクレアチニン値8.0に抑えたのは、日本腎臓学会の治療のガイドラインに8.0以上になると透析導入を勧告するとあるからです。8.0を突き抜けた人は透析に入ったと考えました。
ここに上げた24人の中には、既にシャント手術を済ませている人や、半年以内に透析導入を宣告されている人もいます。グラフの中断している人は報告が途絶えた人です。眼前に透析を突き付けられた人達が、1年以上透析を先延ばししている理由については、このページ内の「低周波電流によって腎機能を活性化し、クレアチニンを下げた」をご覧ください。
透析になっても、なお内臓トレーニングを継続
上記の表の通り、透析直前で内臓トレーニングを始め、1年2年、長くは5年も透析になるのを回避している人もいます。しかし、グラフにあるとおり、努力の甲斐なくクレアチニン値が8.0を超えて透析に入ってしまった実践者もいます。このような人達は、透析に入ったからと言って内臓トレーニングを中止する人はほとんど居りません。透析に入ると免疫力が低下するため、感染症の心配が大きくなります。また、腎臓病発症の遠因となっている循環器系の臓器の衰えから来る心不全や脳梗塞など、様々な合併症を心配しなければなりません。更に、透析に入っても高血圧は解消されませんから、高血圧の管理のためや、不均衡症候群と言って、透析によって起こる合併症の改善のために、皆さん透析に入っても内臓トレーニングを続けています。
中には、既に透析を行っている人でも、このような合併症を少しでも改善するために新たに内臓トレーニングを実践する人も増えてきました。珍しい例ですが、実践することによって止まっていた尿が復活したという人も現れてきており、スタッフも内臓トレーニングの持つ可能性に驚いています。
腎臓移植をしても安心はできません。
腎臓移植によって、尿が出る、運動ができる、野菜を食べられるなど、健康な日常生活を取り戻すことは腎臓病患者にとって大きな喜びです。しかし、移植が今までの課題のすべてを解決するというわけにはいきません。新たにいくつかの課題が出てきます。
まずは、自分の体内に他人の腎臓が入ったことにより、体は新しい腎臓を異物と判断して攻撃を加えます。このため、免疫抑制剤を服用することになり、体の抵抗力が弱くなります。ばい菌やウィルスの侵入を防ぐ生活をしなければなりません。
老人の腎臓は青年の腎臓に比べ、相当老化が進んでいますから当然その寿命は短くなります。移植した腎臓の寿命は平均10年くらいです。自分の腎臓を壊してしまった体内環境は変わっていませんから、移植した腎臓も徐々に壊れていきます。移植した腎臓も早い人で3~4年、長くても10年くらいで機能低下が進み、再度透析に戻っているようです。
折角いただいた腎臓を大切に使いましょう
内臓トレーニング実践者の中には、移植したばかりの人、再透析をまじかに控えた人、移植腎が壊れて再度透析になった人などがいます。移植した腎臓そのものを元気にすると共に、移植に伴う様々な合併症を防ぐため、内臓トレーニングで血流の活性化を図り、せっかくいただいた腎臓を大切に使っていきましょう。