病気を細胞レベルで考える
世界大百科事典によると・・・
病気とは、「身体の痛み、不快感、機能の低下や不調和などで、日常生活が妨げられ」、医療の対象となる状態だといいます。
ほとんどの日本人は、痛みや不快感に悩まされて初めて病気と自覚し、病院へという行動パターンをとります。しかし、内臓トレーニングでは病気を細胞レベルで考えています。
腎臓病は痛みや不快な症状を感じにくい病気
人間の体は60兆個の細胞からできています。
60兆個の全ての細胞が元気に働いていれば健康といえます。
細胞が元気でいるには、細胞も生き物ですから、新鮮な酸素と十分な栄養を取ることが必要です。新鮮な酸素と栄養は血液が運びます。
もし、血液の流れが途絶えると、酸素と栄養が届かなかった細胞は死んでしまいます。細胞の死が病気の始まりです。
しかし、60兆個の細胞の一つや二つが死んでも自覚症状は出ません。ただ、血液の流れない状態を放置しておくと細胞の死はどんどん広がり、痛みや不快な症状でてきます。
こうなって初めて病気と診断されます。
腎臓病の場合、腎臓の細胞の40%が死んでしまったとき初めて腎臓病と診断されます。
しかし、自覚症状が無いため病院へ行こうとはしません。
この結果、自覚症状が出たときは腎機能が消滅する直前で、即透析ということになりがちです。
医学の常識は当てにならない…という事例
腎臓病患者さんの血流に関する矛盾
腎臓病の患者さんは、医師から運動制限をするよう指導されています。
病気の人も、元気な人もふくらはぎを動かす機会が少なくなっています。様々な症状を抱えて日々の生活に支障をきたしている人は、さらにその機会が少なくなっています。
腎臓病の患者さんは、腎臓病を治すために血流が大切でありながら、下半身の血流を活性化できないという矛盾を抱えているのです。
事例1:人体の細胞数について
人体の細胞数について人体を構成する細胞の数は、従来60兆個とずっと言われ続けてきました。
しかし、近年その数は37兆2000億個という学者が出てきました。
これは、2013年に発刊された『人体生物学紀要』(AnnalsofHumanBiology)という雑誌に、イタリアのエヴァ・ビアンコニという生物学者を中心にしたチームが発表したものです。
余りにも最近の発表であるため、医療界で定着した数字ではないので、ここでは従来の60兆個で表記しました。
事例2:透析前の腎臓病患者さんは、筋力アップの運動した方が良い?
今まで、腎臓病患者さんは、筋力アップのような過激な運動は避けるように指導されてきました。
理由は、筋肉に大きな負荷がかかると、筋肉中にあるクレアチンという物質が消費されてクレアチニンが産生されるからです。
もう一つは、過激な運動によって、腎臓が必要とする血液が筋肉に集中して腎臓の活動が弱るから、というものです。
しかし、近年、日本腎臓リハビリテーション学会は、透析前の患者さんは積極的に運動する方が良いと提案しています。もちろん、病気を進行させる運動はいけないとしているが、ウォーキングや筋トレなど、ややきつい運動も積極的に行うことを勧めています。
運動することによって透析が楽になるそうです。詳しいことは日本腎臓リハビリテーション学会のホームページをご覧ください。
このように、医学の世界では、常識として定着している知識やエビデンスに基づいた治療方法などが、一夜にしてひっくり返ることが多々あります。
現代医学の進歩が目覚しいとはいえ、心とは何か、どこにあるかに代表されるように、まだまだ人体のほとんどが解明されていないからです。
今以上に医学が進歩すると、腎臓病は治らない、クレアチニンの数値は下がらないという医学の常識が、ひっくり返るときが来るのではないでしょうか。